郷倉和子の現況 第13回 | |
秋の院展は都美術館改修工事のため三越本店での開催となりました。展示空間の都合 | |
上、例年の出品サイズより小さくなった今年は高齢になった和子にとっては気が楽にな | |
ったようです。 | |
それにしても今年の夏の暑さは異常、汗をふきふき和子はなんとか二曲半双屏風を描き | |
終えました。画面には寒中にみる青空と春の光線、無造作な白梅の枝ぶりに遊ぶ雀たち。 | |
「まばゆい春のひかりを描きたかったと和子証言」 | |
![]() 第九十五回院展「春に舞ふ」 |
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秋には岡崎市のウサギの丘より生後4ヶ月の子ウサギを手にいれました。ウサギ好き | |
の和子は喜んでスケッチしながらウサギと遊ぶ光景が印象的でした。来年はウサギ年、 | |
どんなウサギが作品に登場して来るのでしょう。 | |
![]() うさぎと和子 |
![]() 2010年11月中旬 |
秋から冬にかけては暖寒の差があり高齢の和子は身体を気遣ってあまり庭の散歩は控 | |
えていました。 12月の下旬はいつも通り年賀状の宛名書き、身の回りの片付け仕事 | |
に大忙しでした。 | |
今年の元旦も天気に恵まれましたが外は寒いので茶の間で座りながら四方拝をして一 | |
年の無事を祈願していました。 正月の松の内から昨年から制作していた春の院展の出 | |
品画の制作に入りました。 | |
今年の庭の梅は一月上旬よりさきはじめましたが「例年になく花が小さく花も少ない | |
ように感じられるね」(和子証言)と残念そうにつぶやいていました。 | |
第13回 2011年1月25日発行 | |